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    原田和典の公演初日レポート:ANNA MARIA JOPEK

    ポーランドの歌姫、アナ・マリア・ヨペックの公演が昨日から始まりました。

    実をいうとぼくがポーランド語の歌をライヴで聴くのは今回が初めてです。ポーランドのミュージシャンのパフォーマンスに接するのも、ひょっとしたらジャズ・トランペッターのトマシュ・スタンコ(たしかポーランド大使館で演奏しました)以来かと思います。

    アナ・マリアの作品では、最新作『ID』と、パット・メセニーと共作した『Upojenie』、英語詞で歌った『Secret』は聴いておりました。ライヴ映像も、いくつか見ております。この公演にそなえて、ささやかに予習してきたつもりだったのですが・・・・・。

    だからライヴは面白い! CDからはうかがいきれなかった面が次々と見えてくるのです。“ポーランドのクール・ビューティ”という個人的な先入観が、歌うことの楽しさを全身から発散するようなアクション、そして彼女の多彩な表情によって溶け出していきます。2本のマイク(1本にはエフェクターがかかっています)を使いながら、ウィスパー・ヴォイスから野太いシャウト(ぼくは椎名林檎を思い出しました)までを自由自在に行き来するアナ・マリアは、まさしく声のアスリートでした。

    ぼくはあいにくポーランド語を知らないので、何を歌っているかは正直わかりません。ですが、声の響き、抑揚が実に気持ちよく迫ってきます。曲の途中、日本語で“言葉の壁を越えて、私の世界を楽しんでください”というようなことを歌っていましたが(そうです、即興でメロディをつけて歌っていたのです)、つめかけたオーディエンスにランゲージ・バリアを感じたひとは誰もいなかったはずです。パット・メセニー・ナンバー「Follow Me」を待つまでもなく、ぼくもすっかりアナ・マリアの世界に引き込まれてゆきました。

    異例のダブル・アンコールも飛び出した、とびきりフレンドリーな90分。ぼくはこのライヴでさらにアナ・マリアのファンになりました。ファースト・セットとセカンド・セットでは曲目をほぼ100%変えているそうです。公演中、何度もクラブに足を運ぶ方も多いのではないでしょうか。
    (原田 2009/5/14)

    article from: www.bluenote.co.jp/jp/movie/2009/05/_report_anna_maria_jopek.html

(c) ANNA MARIA JOPEK MUSIC